やっと日本でもキャッシュレス化が進み、都会では財布レス生活をする人がここ1〜2年ぐらいで増えてきているようです。2020年代に入って、そろそろ田舎でも財布レス生活が可能なのではないか、と思いカード収納つきのスマホケースを買ってみました。
私は山梨県の山中湖村に住んでいます。富士山に近い観光地とはいえ、人口5000人程度の寒村(本当に寒い)ですから、十分に田舎だと言えるでしょう。私が財布無しで『スマホ&カード収納付きスマホケース』だけで過ごすことが出来たならば、日本に住む大半の人も同様のライフスタイルが可能である、と言っても過言ではないと思います。
筆者のバックグラウンド
私は1971年生まれで現在48歳です。若い頃はとても好奇心旺盛で40歳ぐらいまではとにかく新しいものが大好きでした。が、そんな私でも近頃は徐々に保守的になっていくのを実感しています。
財布を持たない、というのは私達の世代の人間にとっては結構ドラスティックなライフスタイルの変化ですから、早めにやっておかないと、50代、60代と歳を取るに連れどんどん億劫になっていって、結句、いつまでも財布を持ち歩く化石のようなジジイができあがり、今際の際に、ああ、あのとき財布レスのライフスタイルを選択していれば……、と後悔しながら世を辞する。そんな未来を想像して戦慄を覚えました。
やるしか今しかない。now or never ってことで頑張ってみることにします。
とりあえずカードが2枚入るスマホケースを購入
とりあえずクレジットカード1枚と、運転免許証をカードホルダーに挿入し、スマホとケースの間に非常用の千円札を2枚いれておく、というスタイルで使うことにしました。
一番気になっていたのが、この状態でケースを付けたままちゃんとApple Pay(Felica)を認識してくれるのか? という点です。なぜかアマゾンのレビューでは誰もその点について言及していないので、検証してみました。先日、雪の中を湖畔のセブンイレブンまで滑り降りてApple Payで支払いしてきました。カード等をいれた状態でもApple Payは問題なく使えます。とりあえず第一関門はクリア。
もうひとつ気になるのが、この状態でコードレス充電が可能なのか? という点でした。分厚くなるんでちょっと心配でしたが、これも大丈夫! コードレス充電できます。ちなみに私が使用しているコードレス充電器はベルキンで、スマホはiPhone 8Plusです。
財布に入っていた現金以外の物を整理
さて、財布レス生活に移行するにあたり、財布にいれていたカード類を整理する必要があります。田舎者ゆえスーパーへの買い出しは100%自動車で行くので、スーパーのポイントカードについては、車のサイドポケットにいれておくことにします。
フィジカルのカードを使用していたPontaとTポイントカードはこれを機にアプリに移行しました。チャージするのが嫌なので、ナナコはもともと使ってません。セブンイレブンのアプリについては評価が低いようなので入れるのを逡巡しています。
この状態でしばらく過ごしてみましたが、やはりいちばん頻繁に買い物する格安店「ザ・ビッグ」で使うWAONカードを免許証と入れ替えて、免許証は車の中においておくことにします。身分証明証として免許証を提示する必要があったのはマップカメラで機材を売るときぐらいでした。
また私の場合は写真や動画関連を生業としていることもあり、予備のSDカード、Lプレートを外すための六角レンチ、三脚穴を1/4″から3/8″にするアダプターなどの小物を財布に忍ばせていたのですが、これらを常に持ち歩くのはとりあえず諦めます。しかし、カメラバックにはバッテリー等を含めた別の予備一式が入っているので、おそらく大丈夫でしょう。
ちなみにこのように撮影関係の小物を財布に入れておきたい場合は、ジッパー収納が2つあるこの手の財布がおすすめです。
それでもやはり現金が必要だったケース
財布なし生活をして一月ほど経過したので、この期間にどうしても現金が必要だったケースを挙げておきます。
コインパーキング・パーキングメーター
日本がキャッシュレス社会に移行する上で、一番の妨げになっているのがこれではないでしょうか? 財布を持ち歩きたくない人が車に現金を置いておくようになると車上荒らしが増える可能性もあります。早急に対応してほしいです。
税金
クレジットカードによる自動引落設定は可能なようですが、コンビニで使える支払い用紙や督促状を使う場合は現金のみになるようです。
切手
こちらも同様に現金が必要でした。
お賽銭
私は神社仏閣巡りが好きなので、結構深刻な問題です。近い将来、PayPay等に対応する神社仏閣も現れると期待しています。777円とか、8888円みたいな金額を験担ぎで入れたがる人も多いと思うんですよね。お守りや御神籤もフィジカルなものにこだわらずにスマホに入れるアプリや待受画像などでも良いと思います。お金出したほうがご利益があると思う人はいると思うので。これからは物質的な所有物を減らしたがる人が増えるのではないかと予測します。
御殿場プレミアム・アウトレットの食堂
揃いも揃ってすべて現金払いのみでした。割と最近できたインバウンドツーリストをターゲットにした施設なのにちょっと信じられません。運営は早急に対応してほしいです。
100円ショップ
残念ながら村にある唯一の100円ショップSERIAでの支払いは現金のみでした。DAISOはPayPayによる支払いを導入したそうです。
自動販売機
私は滅多に自動販売機を使わないので気が付きませんでしたが、 この記事を読んで指摘してくれた人がいました。SUICA等に対応した自動販売機もチラホラと見かけるようになりましたが、自動販売機を使いたい場合は基本的に現金が必要になりますね。
日帰り温泉施設
PayPayに対応している施設もありますが、コインロッカーで100円玉を使うので現金が必要でした。
今後の課題
正直言って、持ち歩くクレジットカードが1枚になるのはちょっと心もとないので、Apple Payで紐付けておくクレカを増やしたいところです。
Quick Payをメインで使っているので増やすのであればiD対応のカードが欲しいところ。海外旅行で便利な「EMVコンタクトレス」対応だと更に良い。今使っているのはVISAばかりなのでMasterのほうが良い。
ここに一覧があるので見ながら検討中ですが、次の海外旅行のプランが固まるまでは、とりあえずQuick Payだけで使おうと思います。
結論
上記の現金が必要なケースに気をつけていれば、田舎暮らしでも十分に財布レス生活は可能でした。
最近、キャッシュレスという言葉が頻繁に使われるようになり、実際にキャッシュレス決済で済むケースが増えました。が、財布を持ち歩く必要があるかぎりはキャッシュレス化ってあまり意味ないですよね。
政府もキャッシュレス決済を推進したがっているようですから、ぜひ上記の「それでもやはり現金が必要だったケース」への対策をお願いしたいところです。