30 sec. LE shot at sunrise. Nikon D800E + AF-S Nikkor 14-24mm f/2.8G ED + NiSi Filter Holder + Soft Nano GND8 (0.9)
ニコンのズームレンズの中でも広角ズームのNikkor AF-S 14-24mm f/2.8G EDはとりわけ優れた銘玉だと思う。解放から十分にシャープで14mmで得られる画角は圧倒的だ。ただし、前玉が飛び出ているために通常のフィルターを装着することができない。この辺りが気になって使っていない人もいるかもしれない。
Lee Filters SW150は赤丸で囲まれた爪の部分の強度が足りない。1年ほどで曲がってしまったので、ハンマーで叩いて伸ばした。
14-24用のフィルターホルダーというかなりニッチなカテゴリーに先鞭をつけたのはLee Filtersだ。SW-150という高価なフィルターホルダーを販売してるが、昔はこれが唯一のチョイスだったので私もこれを購入した。しかし、この製品には満足していない。この製品はレンズに取り付けるときは組み立てて、外すときは分解する必要がある。とても面倒なのでつけっぱなしにしていたら、上の写真に示すようにツメの部分が曲がってしまって、14-24の一体型のレンズフードが傷ついてしまった。強度が十分でないのだ。だから使わない時は外しておいたほうが良いが脱着がとても面倒くさい。高価な商品だったが結局使わなくなってしまった。
NiSi 150mmホルダーを14-24に装着したところ。フィルターホルダーの脱着はレンズをカメラから外すことなく、カメラを三脚に取り付けたまま行うことができる。
NiSiというメーカーが同じようなコンセプトの製品を出していることを最近知った。同社のご厚意で使わせてもらえることになったので、早速試してみた。自分が本当に良いと思ったものだけを読者の方に薦めたいので、気に入らなければ褒めませんと予め断ってお借りした。これがSW-150よりずっと良い。 このフィルターホルダーは組み立てたり解体したりする必要がなく、至極簡単に脱着可能なのだ。SW-150はレンズをカメラボディから外して脱着する必要があるが、NiSi 150mmホルダーはなんとカメラを三脚に付けたままほんの2−3秒で脱着ができる。フィルターを予めマウントしてから、ホルダーを取り付けることができるのは大変ありがたい。
ほんの三秒で脱着可能。レンズをカメラから取り外す必要もない。
これは作業効率の面で非常に大きい。取り付け方法は素晴らしくシンプルで、ホルダーをレンズの前面から通して入れて、横に付いているノブを回して固定するだけだ。
Lee FiltersのSW-150にはもうひとつ困った問題があった。ND1000を装着して撮影すると、角型フィルターの背面に後ろからの光が写り込んでしまうのだ。この問題のお陰で何回も撮影に失敗した。仕方がないので、黒いガムテープと段ボールでホルダーを覆ったり、遮光布をぐるぐる巻にしたりしたが、少しでも隙間があると写真が台無しになってしまう。あまりにも面倒なのでSW-150ではND1000を使わなくなった。
30 sec. LE shot during the daytime. Nikon D800E + AF-S Nikkor 14-24mm + NiSi Holder System + NiSi AR ND1000 (3.0)
NiSiのND1000は背面からの映り込みなしで撮影可能!
NiSi ND1000の背面にはモルトプレーンが張ってあり、一番手前に普通に装着すれば、背面の映り込みなしで撮影できるようになっている。背面映り込み問題に散々悩まされた私としては、とても嬉しい。
NiSi ND1000 (3.0) フィルターをNiSi 150mmホルダーに装着して使用すると背面からの映り込みを気にせずに撮影が可能
もちろん150mmフォーマットの角型フィルターならどのメーカーのものでも使える。下に示した例ではLee Filters ND4 (0.6) Grad HardをNiSi ND1000と一緒にNiSi 150mmホルダーに装着して撮影した。
474 sec. LE shot at sunset. Nikon D800E + AF-S Nikkor 14-24mm + NiSi Holder System + NiSi AR ND1000 (3.0) + Lee Filters ND 0.6 Grad Hard
NiSi 150mmホルダーシステムは私が知る限り最良の14-24用フィルターホルダーで、心からおすすめできる良い商品です。近日中に担当者の方が日本に来るらしいので、日本でも簡単に手に入るようになるかもしれません。
UPDATE (May 25, 2015)
NiSiの副社長の孔さんとエリアマネージャーの展展(テンテン)さんとお会いしていろいろと新しい情報をもらったので以下に紹介します。
1) NiSiはTamron SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD (Model A012) 用のフィルターホルダーを開発したとのこと。私が知る限り唯一の選択肢だと思います。
2) NiSiのNikon 14-24mm用150mmフィルターホルダーは他の大三元ズーム(24-70と70-200 f/2.8)でも専用のアダプターを使えば使用可能とのこと。
3) その他のレンズ用には100mmのフィルターホルダーシステムを販売していて、使用可能なレンズの最大経は82mm。これは近いうちに使う機会があるかもしれないので、使ってみたらまたレポートします。
4) NiSiは現在日本の代理店を探していて各社と交渉しているが、直ぐに使ってみたい人は同社から直接可能とのこと。FaceBookユーザーはTenten Kouさんにメッセージを送って購入依頼を出せるようです。彼女は日本語ができます。
UPDATE (Oct 19, 2015)
NiSiのショップがamazon.jpにできたので、日本の方はここから買えます。
With NiSi Filter Holder + Soft Nano GND8 (0.9) + ND1000 (ISO100, 24mm, f/10, 8.0 sec.)
フィルター無し (ISO 100, 24mm, f/10, 1/250 sec.)
UPDATE (JAN 3, 2016)
NiSiはSIGMA 20mm f1.4 ART用のフィルターホルダーの販売も開始しました。Carl Zeiss 15mm 2.8/T*用のホルダーも販売しているようです。このようにニッチなニーズの製品を網羅しているのは感心させられますね。
※WordPressをサブディレクトリ型で多言語化する作業に伴い、2019年12月26日に日本語部分だけを切り離して投稿。