多くのカメラマンは大三元と呼ばれるf/2.8通しのズームレンズをまず揃えたがるものですが、私が愛用しているメインの標準ズームレンズはシグマArtシリーズの24-105mm F4 DG OS HSMです。このレンズで数万枚の写真を撮ってきたので、その魅力について私なりの考えを書いてみたいと思います。
第一に、私は主に風景写真を撮っているので、絞り込んで四隅まで解像するのであれば、開放f値の明るさはさほど重要ではありません。SIGMA 24-105mm F4 DG OS HSM | Artは約4.4倍の高倍率ズームでありながら、絞り込んだ時の解像度はf2.8通しの他の標準ズームレンズと比較しても劣っていません。絞り込んで解像するのであれば、カバーする画角の範囲が広いほうがずっと使いやすいのです。
風景写真でも星景写真などの場合は明るい開放f値が必要になります。ただし、その場合は開放値f/1.4の単焦点レンズを使用したほうがずっと良い結果になるので、開放は明るくなくても絞ればシャープになる高倍率ズームレンズと単焦点の組み合わせのほうが合理的であるというのが私の考えです。カバーする画角が更に広い高倍率ズームレンズもありますが、現時点では満足できる解像度のものには巡りあっていません。勿論、このあたりの妥協点は人それぞれだと思います。
また、このレンズはズームレンズとしてはかなりボケ味も良いです。開放では周辺減光が気になるケースもあるかもしれませんが、絞り込めば問題になりません。個人的には開放で撮るスナップ的な写真では周辺減光があってもむしろ被写体が強調されて良いと思っていますし、LightRoom等で簡単に補正できます。
このレンズは少し重い(885g)ので重量を気にする人もいるかもしれませんが、レンズを2つ持ち歩いてシーン毎に交換するよりはずっと楽です。標準ズーム選びで悩んでいる人は検討してみては如何でしょうか? 本当に気に入っています。
いろいろ褒めてきましたが、このレンズも完璧ではありません。広角でパンフォーカスで撮影した場合、周辺が流れることがあります。その場合はピントを3mから5mぐらい先の物体に合わせてからf/8以上まで絞って無限遠が被写界深度に入るようにすると、最初から無限遠にピントを合わせて撮るよりも周辺の画質が向上します。私が使用している個体では、24-35mmの焦点域のあたりでそのような傾向があります。広角では樽型収差も気になるかもしれませんが、LightRoom等で簡単に補正できます。
SAMPLE IMAGES
以下に等倍のサンプルイメージを公開いたします。流石に販売する作品の等倍データは公開できないのでスナップ中心です。シャープネス等を補完したらサンプルの意味が無いので、殆ど撮って出しで、一部ホワイトバランスなどを若干調整しています。
Example 1
Example 2
Example 3
ちなみにこの猫の置物はアーティストのもりわじんさんが作成したものです。素晴らしい作品ばかりなので猫好き、アート好きの人はぜひチェックしてみてください。
Example 4
Example 5
Example 6
※WordPressをサブディレクトリ型で多言語化する作業に伴い、2019年12月26日に日本語部分だけを切り離して投稿。