( ゚д゚)ハッ! そうか、お彼岸か!

YUGA KURITA Mount Fuji Taikanzan Dawn_DSC7785

Nikon D5300 w/ AF-S Nikkor 18-140mm f3.5-5.6G ED VR

さて、平日だし、久しぶりに晴れそうだから箱根でも行って富士山を撮るか〜、と午前3時前に家を出て大観山に向かった。ちなみに大観山の発音は「たいかんざん」である。「だいかんざん」では無い。なんでも日本画の大家である横山大観が、ここから富士山を描くのが好きだったので「たいかんざん」になったそうだ。「横山大観すげ〜!」この話を聞いた時、私は思わず唸ってしまった。明治以降に活躍した人で、それほど大昔の人でも無い。それでも、自分の名前をこんな立派な山に残すなんて、もの凄い偉業ではないか! しかし、待てよ、じゃ横山大観が現れる前は、この山はなんて呼ばれていたの( ・ω・)モニュ? という疑問が当然湧いてくる。どうやら、この山は昔から景色が良かったので大観山(だいかんざん)と呼ばれていたそうだが、横山大観にあやかって濁らない「たいかんざん」に呼び方を変更したという説があるようだ。実際に箱根新道の「芦ノ湖大観インターチェンジ」は「だいかん」と発音するようだから、昔ながらの地名は「だいかん」なのかもしれない。しかしながら、信頼性の高そうなしっかりした情報源は探しだすことができなかった。この辺りはまた今後も調べていきたい。

4時過ぎには大観山に着いた。山梨県から静岡県を通って神奈川県に至るわけだが、山梨県北部に行くよりも寧ろ近いぐらいだ。新月に近いこともあって、空は暗く星が綺麗だった。歩道橋の上に三脚をセッティングして待っていると薄っすらと富士山が見え出した。少し靄が出ていて、「抜け」はいまいちなのが少々残念だが、色もついてなかなかよい感じだった。

Yuga Kurita Sunrise Taikanzan Hakone_DSC7781

Nikon D5300 w/ AF-S Nikkor 18-140mm f3.5-5.6G ED VR

撮影も一段落ついたので、車の中でシートを倒して少し仮眠する。しかし、周りで車やバイクが煩くてよく眠れない。やはり大観山は有名なようだ。平日なのにずいぶんと混んでいる。ドアミラーに直射日光があたるようになったので、寝るのは諦めてロケハンに出かけることにした。

向かった先は十国峠。富士山に対してやけに辛口だった太宰治が「十国峠から見た富士だけは、高かった。あれは、よかった。」と褒めている場所である。

_DSC7812
Nikon D5300 w/ AF-S Nikkor 18-140mm f3.5-5.6G ED VR

階段があったら楽勝で登れそうな感じなのだが、ケーブルカーで登るしか無いらしい。往復で¥430也。ケーブルカーの駅と付属の売店はモロに観光地という雰囲気だ。改札で仕切っている女性従業員の話し方が、人を馬鹿にしている感じで些か辟易した。

Yuga Kurita Mount Fuji Jukkoku Touge_DSC7854

Nikon D5300 w/ AF-S Nikkor 18-140mm f3.5-5.6G ED VR

相変わらず抜けはいまいちだったが、展望台からの眺めは素晴らしかった。確かに太宰が言うようにスラっと高い感じがする。

富士山の手前の雲の下ににある広大な野原は東富士演習場である。太宰は東富士演習場を見てどう思ったのだろうか。北富士演習場にしてもそうだが、見るたびに不自然な印象を受ける。本来ならば原生林になっているはずの広大な土地が無理やり人工的にすすきの原に改造されているように見える。新緑の頃はまだ良いのだが、秋になるとすすきが枯れて薄茶色の原っぱが顕になって、せっかくの美観が台無しだ。まるで富士山の皮膚が無理やり剥がされているようだ。本当に江戸時代や室町時代から、自然の状態ですすきの原だったのだろうか? 広大なすすきの原が描かれた浮世絵ってあったっけ? 野焼きの真の目的は木が育って野原が原生林に飲み込まれるのを防ぐために、大きくならないうちに燃やしているのではないか、という疑念がある。しかし、私の疑念が本当だったらICOMOS(UNESCOに代って世界遺産の適性を審査する機関)に指摘されそうな気もする。これはあくまで、富士山写真家としての感覚的な意見である。特に北富士演習場の形は長方形に近くてかなり人工的に作られた印象を受けるのだ。太宰が『富嶽百景』を発表したのは1939年で、まだ戦時中だったので、下手なことは書けなかったのかもしれない。

map jikkoku pass©2014 Google, ZENRIN

閑話休題、十国峠の展望台の見晴らしは確かに素晴らしいのだが、ロープウェイが運行している時間しか使えないのでは、朝夕の美味しい時間帯に撮影できないではないか! と思って地図を調べるとどうも道がある、展望台からも細い道が伸びているのが見える。これは日金山霊園の駐車場に駐車して、歩いて登れるんじゃないの? と思ったので、実際に行ってみた。伊豆スカイラインを少しだけ走る形になるが、料金所の手前で左折するので料金は徴収されない。

霊園の駐車場に着くとすごい数の車だ。ガードマンが数人いて交通整理にあたっている。平日なのにずいぶんと混雑する霊園だな、と感心しながら展望台へと続く(と思われる)道を登った。すると、すぐに展望台と富士山が前方に見えた。

Yuga Kurita Jukkoku Touge Observatory Mount Fuji_DSC7893

Nikon D5300 w/ AF-S Nikkor 18-140mm f3.5-5.6G ED VR

なんだよ、ロープウェイ必要ないじゃん! 430円無駄にしたよ〜(´・ω・`) やはりロケハンは大事である。次は本気撮りでまたここに来よう。

霊園に戻ると相変わらず凄い人である。この辺りの人たちは平日から先祖供養に熱心で菩提心が強い、と感心しながら、駐車した場所に向かうと曼珠沙華が咲いていた。

_DSC7899

Nikon D5300 w/ AF-S Nikkor 18-140mm f3.5-5.6G ED VR

あ、彼岸花だ。もうそんな季節か〜とパシャリとシャッターを切った時に、脳髄を電光が走った。( ゚д゚)ハッ!・・・お彼岸! 今日は9月23日。秋分の日で休日か! だから混んでいたのか!!!

いわゆるユリイカモーメントというやつだ。コペルニクスが地動説に気づいた時もこんな感じだったに違いない。さっきまで単なる火曜日だったものが、急に祝日になった。しかも秋分の日だ。勤労感謝の日などとは違う。天体の運行に基づいた由緒正しき休日だ。仏教徒にとっても大切な日であるが、黄金の夜明け団の流れを汲む魔術師にとっても大切な日だ。そんな日を忘れるとは我ながらどうかしているが、そんな自分はなかなかの幸せものだと思った。

DSC02263

Sony α7 w/ FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS SEL2870 (ILCE-7K)

という訳で高速に飛び乗って、川口市にある両親の墓に行った。チップスターは親父の好物である。母ちゃんの好物のケンタッキー・フライド・チキンは調達できなかったので、おはぎで我慢してもらった。でも食いしん坊だったので、食べ物ならばなんでも喜ぶだろう。

D5300 18-140VR レンズキット

このキットレンズはなかなか解像度が良いし、そこそこ寄れて、便利。ボディのみとの価格差を考えるとキットはお得。ただし、この組み合わせはAFの正確さが今ひとつの頼りないので、余裕がある場合はピントの場所を変えて何枚か保険に撮っておきます。レンズだけ欲しい人はヤフオクで安くで売ってます。

α7ズームレンズキット  ILCE-7K

キットのズームレンズとしてはなかなかボケが良いし、手ぶれ補正が付いているので、お散歩用になかなか良い。α7Rとは違い電子先幕シャッターが付いていて手ブレに強いので、お散歩やスナップを中心に使うならばRよりも無印のほうが良いと思う。

※WordPressをサブディレクトリ型で多言語化する作業に伴い、2019年12月26日に日本語部分だけを切り離して投稿。

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