鳳凰山に登ってきた!

Yuga Kurita Mount Fuji from Mount Houou blue sea of clouds dawn long exposure_4E02109

Nikon D800E w/ SIGMA ART 24-105mm f/4 DG OS HSM

南アルプスは富士山写真家にとって聖地のようなところだ。高い所から雲海の彼方に見る富士は本当に神々しい。もちろん、一番の聖地は富士山なんだけど、富士山に登ると富士山が撮れませんから。

いろいろと調べた結果、鳳凰三山は南アルプスの中では比較的難易度が低いが、ここからの富士山は素晴らしいというこが分かった。最初の南アルプスに最適ではないかと思い、挑戦してみることにした。コースは夜叉神峠から登るコースが一番整備されていて楽だという話だったが、青木鉱泉からドンドコ沢コースで北嶺の地蔵岳に登って、薬師岳から中道コースで青木鉱泉に戻る、というコースにした。このコースなら色々とロスなく回れそうだ。GPSデータを取っていないので、地図の線はかなりいい加減です。

スクリーンショット 2014-10-15 午後2.16.23
地図データ ©2014 Google, ZENRIN

青木鉱泉には午前6:30頃到着して、すぐに山に登り始めた。ドンドコ沢コースで登る場合は、途中に4つの滝がある。最初の滝である南精進ヶ滝までは、コースマップによると2時間ほどなので、まずはここが最初の目標だ。

IMG_0027Canon PowerShot S200

一時間半ほど歩くと沢を横切った。ちょっとした滝のようになっているので、てっきりここが南精進ヶ滝かと喜んた。しかし、先に来て休んでいる人に話を聞いた所、滝はまだ先だということだった。ちょっと順調すぎると思ったんだよね。まだまだ先は長いので、少しだけ休んでから滝に向かいます。

南精進ヶ滝 ドンドコ沢 鳳凰三山 Minami-Shoujinn-ga-taki IMG_0036Canon PowerShot S200

9:00に南精進ヶ滝に到着しました。正直言って鳳凰三山から富士山を撮ることしか頭になかったので、道中にある滝にはあまり興味が無かった。どうせ家の近所の鐘山の滝ぐらいのものだろうと高をくくっていたら、すごく立派な滝で驚いた。ここは登山目的ではなく、滝を見るのを目的に来る人もいるそうです。滝も好きならば、ドンドコ沢ルートで登るのが良いでしょう。

ここはAUの3Gが一応使えたので、鳳凰小屋に予約の電話を入れたり、「鳳凰山なう」みたいなツイートをしたりして少し休みした。

次のマイルストーンはここから一時間半で着くという「白糸の滝」で、ここに辿り着けば、今日の道程の半分を過ぎる。半分以上進むと精神的にだいぶ楽になりそうな気がするので、気合を入れて進む。しかし、白糸の滝というのは日本にいくつあるのだろうか? 実は富士吉田にもひとつあるのですが、かなりマイナーなスポットなので知っている人は少ないでしょう。

青木鉱泉から南精進ヶ滝までの距離より短いはずなのに、白糸の滝は遠かった。途中で「鳳凰の滝」への分岐を示す標識が現れました。どうやら数十分でピストンして行って帰ってくることができるようでした。しかし、今回の登山の目的はあくまで富士山撮影なので、体力の消耗を恐れて断念しました。少し見てみたかったので、家に帰ってから検索して色々調べてみましたが、鳳凰の滝もなかなか見事な滝のようです。次にドンドコ沢を登るときはぜひ立ち寄りたい。

Dondokosawa Shiraitonotaki Yuga Kurita IMG_0044
Canon PowerShot S200

結局、白糸の滝に着いたのは11:15頃だった。費やした時間は約二時間だが、急な坂でかなり疲れた。ここで滝を鑑賞しながら、昼食のおにぎりを食べましたた。疲れたのでゆっくり休みたいのですが、止まっていると寒くなるので、またすぐに動くことにします。次の目的地は標高2200mにある最後の滝、「五色の滝」です。

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Canon PowerShot S200

鳳凰小屋の提供しているルートマップによると、白糸の滝から五色の滝までは1時間20分ほど。しかし、一時間ほどであっさりと着いた。この区間はすごく楽に感じました。もうここまでくれば鳳凰小屋まだあと一息だ。気持ちのよい沢の道を通って一時間半ほどで、鳳凰小屋に着いた。

鳳凰の滝への分岐から白糸の滝までが辛かった。ルートマップによると6時間の道のりだが、私は7時間30分ほどかかりました。撮影機材が重いとはいえ、もう少し早く登れるように鍛えようと思います。

Yuga Kurita Mount Fuji Sea of Clouds Hououzan Jizoudake Fujimiiwa_4E02015
Nikon D800E w/ SIGMA ART 24-105mm f/4 DG OS HSM

この小屋から御座石鉱泉方面に5分ほど行ったところに「富士見岩」という富士山鑑賞スポットがある。早速荷物を小屋に置いてカメラだけ持って、行ってみた。すると大雲海の彼方に富士山が見える! 今までこの雲の中を必死で登ってきたと思うと、感無量である。しかし、この後は雲海がどんどん高くなって、富士山の頭だけがかろうじて見えるような状態になってしまったので、撮影は諦めて一度小屋に戻った。

小屋で少し休んだが眠くはならない。少し体力も回復したので、最低限の荷物を持って地蔵岳の山頂まで行ってみることにした。D800Eは小屋に置いて、キヤノンのコンデジPowershot S200だけポケットに忍ばせて小屋を出た。小屋の前にある看板によると地蔵岳の頂上まで50分ほどで着くらしい。日が落ちるまでには着くだろう。

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Canon PowerShot S200

荷物が少ないので楽勝だと思ったのだが、地蔵ヶ岳の山頂近くは急勾配の砂地で、まるで蟻地獄のようだ。山頂はすぐそこに見えているのになかなか辿り着かない。山頂まであと少しのところで、空が徐々に暗くなってきた。そして、そこで振り返って気がついた。観音岳の左肩から徐々に富士山が見え出している! ここからだと稜線が隠れるが、山頂からだとちゃんと見えるはずだ。急がなければ! しかし、気が焦るばかりで、なかなか前に進まない。なんとか登頂した時には、かなり暗くなっていた。コンデジしか無い! 三脚持ってきてない! まさか、こんな見事な富士山にお目にかかるとは思わずに、油断していた。一生の不覚である。仕方ないので、コンデジを岩の上に載せて、なんとかブレを抑えて撮ってみた。

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Canon PowerShot S200

もっと早くD800Eと三脚を持って出ていれば! と後悔する時間はない。どんどん暗くなっているので、さっさと山小屋に戻ることにする。もちろんヘッドライトはちゃんと持ってきていた。帰り道の途中で明るい月も登ってきたので、夜の登山道だったが問題なく帰還できた。写真家というのはどうしても朝夕に撮りたいものなので、暗い時間に動く必要が生じることがある。当然ながら山では慎重にならなくてはならない。山小屋に帰ったら、ご飯を食べてすぐに寝た。明日は3:00には起きてガッツリ撮るつもりだ。

ちなみに最初の一枚は、二日目の朝に撮ったものである。

鳳凰山に登ってきた! (2) に続く。

※WordPressをサブディレクトリ型で多言語化する作業に伴い、2019年12月26日に日本語部分だけを切り離して投稿。