富士五湖の中で一番マイナーなのが西湖だ。写真の数も他の4つの湖に比べて明らかに少ない。理由はいろいろあるが、一番大きな理由は足和田山の存在だろう。足和田山には五湖台、三湖台、紅葉台などの富士見スポットがあるのだが、西湖から見ると、これが手前にあって富士山の頭しか見えない。しかし、西側奥の入江地帯からは比較的優雅な富士山の姿を見ることができる。ここは逆さ富士も撮りやすく、なかなかの鑑賞スポットだ。西湖湖畔では、ここが唯一の富士山撮影スポットと言って良いだろう。
Nikon D800E w/ SIGMA 35mm f/1.4 DG HSM
西湖に逆さ富士を撮りに行くなら、夜がおすすめだ。静かな所だし、水面も凪いでいることが多い。上のショットは273秒(4分33秒)の長秒露光のショットである。私はジョン・ケージのファンなので273秒を多用する。タイマー付きのケーブルレリーズは必須のアイテムだ。シャッターを開いている間、静寂を楽しみながら撮った。長秒露光は哲学だ!
夜がおすすめなのには別の理由もある。それは、西湖で朝焼けの逆さ富士を撮るのは大変難しい。理由は…
夜が少し明けだして、ヘッドライト無しでもかろうじて目視できる頃になると、ボート屋のおじさんがやって来て、ダッパーン!、ダッパーン! と、容赦なくボートを水面に投げ入れる。そして朝焼けがクライマックスになった頃には、ご覧のように、ボートに乗ったおじさんたちが釣りに出かける。無論、逆さ富士はすでに消えている。
ここが西湖で唯一の撮影スポットなので、朝焼けの逆さ富士を撮るのは大変難しい。ボート屋さんも商売だから仕方ないだろうけど、週に一回ぐらいは定休日を設けてくれないだろうか? そうしたらその日に合わせて撮りに行きます。我々写真家もこうやってブログやらSNSを使って富士山の魅力を国内外に発信しています。魅力的な写真が増えると、観光客も増えて、結果的にボートに乗る人も増えるかもしれません。
みなもの富士は、ゆめ幻の如くなり。
記念すべきARTシリーズ第一弾。開放からシャープで夜の撮影では必ずと言ってよいほど持ち出します。
タイマー付きのリモートケーブルがあるとバルブ撮影が非常に楽です。
Quattroが出たのでお買い得感が高い。等倍の解像感ではこちらが上かもしれません。
※WordPressをサブディレクトリ型で多言語化する作業に伴い、2019年12月26日に日本語部分だけを切り離して投稿。